じゃがいもの芽かき、やったほうがよいと聞くけれど、正直なところ「本当に必要なの?」と思いませんか。芽がいくつも出てくると、元気そうなものまで抜くのは少し勇気がいりますよね。
結論からいうと、芽かきをしないと必ず失敗するわけではありません。ただし、収穫するじゃがいもの大きさやそろいやすさ、株の風通しには差が出やすいんです。
家庭菜園では、大きな芋をそろえたいのか、小粒をたくさん楽しみたいのかで正解が変わります。この記事では、芽かきをしない場合の変化と、迷ったときの対処法をわかりやすく紹介します。
じゃがいもの芽かきとは?まず知っておきたい基礎知識
芽かきは「芽の間引き」のこと
じゃがいもの芽かきとは、種芋から伸びてきた芽のうち、育てる本数を決めて余分な芽を取り除く作業です。一般的には、勢いのある芽を2〜3本ほど残します。
芽が多い株は、地上部の茎や葉も増えやすくなります。芽かきは単に見た目を整えるためではなく、限られた養分を残した芽と芋に回しやすくするための作業なんです。
行う時期は草丈10〜15cmが目安
芽かきのタイミングは、芽が伸びて草丈10〜15cmほどになったころが目安です。どの芽が太く、まっすぐ育っているかを見比べやすく、まだ株への負担も大きくなりにくい時期です。
早すぎると、あとから別の芽が伸びてくることがあります。反対に遅すぎると、地下で芋ができ始めている可能性があるため、無理に大きく動かさないほうが安心ですよ。
残す本数は栽培目的で変えられる
大きめのじゃがいもを収穫したいなら、芽を1〜2本に絞る方法があります。大きさと収穫数のバランスを取りたい場合は2〜3本、小粒をたくさん楽しみたいなら、あえて多めに残す考え方もできます。
つまり、芽かきには絶対にひとつの答えがあるわけではありません。品種や株間、土の肥沃さ、日当たりによっても結果は変わるので、家庭菜園なら一部の株だけ試すのもよい方法です。
芽かきをしないとどうなる?収穫量と芋の大きさの関係
一つひとつの芋が小さくなりやすい
芽かきをしないと、茎葉が増え、地下に伸びる茎や芋の数も多くなりやすい傾向があります。すると、株がつくった養分が複数の芋に分散し、一つひとつが大きくなりにくいんです。
ただし、「芽かきをしない=小さい芋しかできない」と決めつけることはできません。土に十分な養分があり、日当たりや水分も適切なら、大きな芋と小さな芋が混ざって収穫できる場合もあります。
総収量が増えるケースもある
芽かきをすると芋のサイズはそろいやすくなりますが、株全体の芋の数を抑えることにもつながります。そのため、重さで見た総収量は、芽かきをしない株のほうが多かったという家庭菜園の事例もあります。
ここは少し意外なところですよね。大きさをそろえるなら芽かき、数や小粒も含めた重さを重視するなら芽かきを省略する、という考え方ができます。
味は芽かきだけで決まらない
芽かきをしないと味が悪くなる、という直接的な決まりはありません。じゃがいもの味や食感は、品種、収穫時期、肥料、水分、保存状態などの影響を大きく受けます。
小粒の芋は、皮付きのまま揚げたり、煮物に使ったりしやすい魅力があります。一方で、未熟な芋が多いと水っぽく感じることもあるため、芽かきの有無よりも、株が健全に育ち、適切な時期に収穫できるかが大切だと思います。
芽かきをしない場合に注意したい病気・緑化・作業性
茎葉が混み合うと風通しが悪くなる
芽を多く残した株は、茎葉が込み合って株元が見えにくくなります。風が通りにくい状態では、雨のあとに葉が乾きにくくなり、病気が広がりやすくなることがあります。
特に、雨が続く時期や湿気の多い場所では注意したいところです。芽かきをしないなら、株間を広めに取る、葉が濡れたまま長時間続かない環境にするなど、ほかの条件で補う必要があります。
土寄せがしにくくなることも
じゃがいも栽培では、芋が地表に出ないよう株元へ土を寄せる作業が重要です。ところが茎が何本も密集すると、株元へ土を入れにくくなり、作業中に茎を倒してしまうことがあります。
土寄せが足りないと、芋に光が当たって緑色になるリスクが高まります。緑色になった部分や芽、傷んだ部分には有害な成分が増えることがあるため、食べずに取り除くか、状態によっては廃棄してください。
芽かきと食中毒リスクは別に考える
芽かきをしないこと自体が、じゃがいもを有毒にするわけではありません。注意したいのは、芽や緑化した部分、強い苦みがある芋を食べないことです。
収穫した芋は明るい場所に置きっぱなしにせず、涼しく風通しのよい暗所で保存します。小粒だから危険という単純な話ではありませんが、未熟で緑色の芋や、芽が大きく伸びた芋は無理に食べないほうが安全ですよ。
じゃがいもの芽かき方法と遅れたときの対処法
基本の芽かき手順
まず、株の周りの土を少し確認し、太くて元気な芽を2〜3本選びます。残す芽を片手で押さえ、抜く芽を株元から横方向へゆっくり倒すように取り除きます。
強く上へ引っ張ると、残したい芽や種芋まで動くことがあります。作業は土が極端に乾いていない日を選び、終わったら株元を軽く整えて、根が露出していないか確認しましょう。
芽かき後は土寄せと水分管理をする
芽かきが終わったら、株元へ土を寄せます。芋が育つスペースを確保し、地表に出るのを防ぐためです。
水やりは、土が乾きすぎたときに行う程度で構いません。常に湿った状態にすると、種芋や根が傷みやすくなるため、排水の悪い場所では特に水の与えすぎに注意してください。
草丈が30cmを超えたら無理に抜かない
芽かきが遅れて草丈30cm前後になった場合は、すべての芽を無理に抜かず、そのまま育てる選択もあります。地下で芋がつき始めている時期に茎を大きく動かすと、株への負担が増えるためです。
この場合は、土寄せを丁寧に行い、茎葉が混み合いすぎていないかを観察します。病気の葉を見つけたら早めに取り除き、収穫後は小粒の芋も含めて、緑化や傷みがないか一つずつ確認しましょう。
じゃがいもの芽かきに関するよくある質問
Q1. 芽かきをしないと収穫量は必ず減りますか?
必ず減るとはいえません。芽かきをしないことで芋の数が増え、総重量では多くなる場合もあります。
ただし、小粒が増えたりサイズがばらついたりしやすい点には注意が必要です。大きくそろった芋を重視するなら芽かき、数や小粒を楽しむなら省略というように、目的で選ぶと納得しやすいですよ。
Q2. 芽かきは何本残すのが正解ですか?
迷ったら、元気な芽を2〜3本残すのが扱いやすい目安です。大きな芋を狙う場合は1〜2本、小粒を多く収穫したい場合は3本以上残す方法もあります。
ただし、種芋の大きさや品種、株間によって適した本数は変わります。最初から全部同じにせず、畝の一部で本数を変えて比較すると、翌年の栽培に活かせます。
Q3. 芽かきで抜いた芽は植え直せますか?
芽に根がついている場合は、別の場所に植えて育つことがあります。ただし、必ず活着するわけではなく、植え替え時に乾燥すると弱りやすいものです。
芽かきの目的は株の養分を整理することなので、まずは残した株を健全に育てることを優先しましょう。植え直す場合は、根を乾かさず、浅く植えて水分を保つのがポイントです。
まとめ:芽かきは目的に合わせて判断すれば大丈夫
じゃがいもの芽かきをしないと、芽や茎葉が増え、芋の大きさがばらつきやすくなります。大きな芋をそろえたい場合には不利になりやすい一方、小粒を含めた総収量が増えるケースもあり、一概に失敗とはいえません。
味についても、芽かきの有無だけで決まるわけではありません。品種や土、水分、収穫時期のほうが影響しやすく、健全に育った小粒のじゃがいもなら、おいしく食べられるものも多いんです。
ただし、茎葉が混み合うと土寄せがしにくくなり、芋が緑化するリスクは高まります。緑色の部分や芽、苦みのある芋は食べないようにし、安全確認は必ず行ってください。
迷ったときは、元気な芽を2〜3本残すのが無難です。とはいえ家庭菜園なら、芽かきをする株としない株を少しずつ作ってみるのもおすすめですよ。自分の畑でどちらが育てやすく、食べたいサイズに近いのかを比べると、じゃがいも栽培がさらに面白くなります。
